4.宿命転換

(3)願兼於業

苦難に直面しても、信心を貫いて宿命転換する人にとっては、人生の意味が大きく変わります。
法華経には、「願兼於業」の法理が説かれています。願とは願生、業とは業生です。菩薩は願いの力で生まれ(願生)、普通の人々は業によって生まれます(業生)。
願兼於業とは、修行によって偉大な福徳を積んだ菩薩が、悪世で苦しむ人々を救うために、わざわざ願って、自らの清浄な業の報いを捨てて、悪世に生まれることです。
その結果、菩薩は、悪業の人と同じように、悪世の苦しみを受けます。ここから難の意義をとらえ返すと、信心で難を乗り越える人にとっては、悪世に生きて苦難を受けるのは、決して宿命ではなく、実は人を救う菩薩の誓願のゆえであり、苦難を共有し、それを乗り越える範を示すものであることになります。
この願兼於業の法理をふまえた生き方を、池田名誉会長は「宿命を使命に変える」とわかりやすく示しています。
「誰しも宿命はある。しかし、宿命を真っ正面から見据えて、その本質の意味に立ち返れば、いかなる宿命も自身の人生を深めるためのものである。そして、宿命と戦う自分の姿が、万人の人生の鏡となっていく。
すなわち、宿命を使命に変えた場合、その宿命は、悪から善へと役割を大きく変えていくことになる。
『宿命を使命に変える』人は、誰人も『願兼於業』の人であるといえるでしょう。
だから、全てが、自分の使命であると受け止めて、前進し抜く人が、宿命転換のゴールへと向かっていくことができるのです」(『御書の世界』第2巻)

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