スペイン
マドリード・コンプルテンセ大学
カルロス・ルビオ元教授
◆略歴
スペイン語版「御書」の総合監修者。『プエルタ新スペイン語辞典』(研究社)、『クラウン和西辞典』(三省堂)などの発刊にも携わった。日本とスペインの相互理解の促進への貢献により、日本の外務省から「外務大臣表彰」を受賞している。
「この地球に住む現代の人々にとって、御書は重要な二つの価値を持っており、それは特筆すべきものです。
一つ目は、御書が放つ精神的メッセージの普遍性です。御書にある哲学・思想は、異なった人種、文化、性別など、どのような差異があり条件が異なっていたとしても、万人が共感でき活用できるものです。それは、封建時代にもかかわらず、女性を尊重する姿勢を示し、また庶民に分かりやすい平易な仮名文字で信徒に手紙を送るなどした、日蓮の思想や行動から感じることができます。
二つ目は、当時の政治権力に対して勇敢に立ち上がった著者、日蓮の不屈の精神です。
13世紀の武家社会の中で、一人の人間が、『王地に生れたれば身をば随えられたてまつるやうなりとも心をば随えられたてまつるべからず』(御書287ページ)と勇敢にも言い切った事実は特筆すべきことです」