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書籍詳細

地球平和への探求

地球平和への探求  

潮出版社 2006年
本書は、戦後からの半世紀を核廃絶運動に捧げ、1995年にノーベル平和賞を受賞した「平和と人道の科学者」ロートブラット博士と、池田名誉会長の対談集である。 
ロートブラット博士は、平和のための科学者の団体「パグウォッシュ会議」の初代議長。博士は、ナチス・ドイツの暴虐への怒りを胸に原爆開発計画(マンハッタン計画)に物理学者として参画するが、ドイツが原爆を開発していないことを知り、同計画から離脱。だが、原爆は完成し、広島・長崎で数十万の命を奪ったことに博士は衝撃を受け、残りの生涯を核廃絶に捧げた。「パグウォッシュ会議」が発足した1957年には、池田名誉会長の恩師・戸田第二代会長が、核兵器廃絶を青年に訴えた「原水爆禁止宣言」がなされている。
本書は、最初の原爆が作られた過程とその使用前後の詳細な状況を、当事者が未来のために語った第一級の口述による歴史記録といえる。原爆投下から60年を迎えた2005年夏。ロートブラット博士は96年の生涯を閉じ、本書は、平和に生涯を捧げた科学者の遺稿となった。

ジョセフ・ロートブラット  物理学者
物理学者。パグウォッシュ会議名誉会長。ポーランドのワルシャワ生まれ。英国で核物理学を研究し、アメリカ政府からの原爆開発の「マンハッタン計画」に招かれて渡米。しかし、ナチス・ドイツが原爆を製造しないことがわかると、同計画から離脱。戦後の「ラッセル=アインシュタイン宣言」の発表に尽力した。「パグウォッシュ会議」の初代事務局長や会長を歴任するなど核兵器廃絶運動を推進。1995年にノーベル平和賞を受賞。
ジョセフ・ロートブラット

第1章 ラッセル=アインシュタイン宣言
「核のない世界」「戦争のない世界」へ/2つの「宣言」における「人間性」への視点/「疲れることを自分に許さない」/アインシュタインの苦悩と葛藤/「正義の戦争」はありうるか

第2章 ヒロシマ・ナガサキの「人類への教訓」
広島は人類の「グラウンド・ゼロ」/「8月6日」の衝撃と絶望/中東にまで及んだ反核の運動/過去、現在、そして未来への責任

第3章 反戦精神を培った「師弟の道」
戦争への怒りを刻んだ少年時代/小説が育んだ科学への夢/恩師が支えてくれた“科学の旅”/夫婦を引きさいたファシズムの嵐/亡き妻に捧げた平和への決意

第4章 マンハッタン計画の真実
マンハッタン計画と原爆への恐怖/核抑止論への疑問/困難を極めた「計画」からの離脱

第5章 パグウォッシュ会議の挑戦
パグウォッシュ会議と原水爆禁止宣言の「縁」/東西の壁を超えた科学者たちの対話/不戦への決意と「ウィーン宣言」の採択/人間に潜む野蛮と狂気との対峙

第6章 核廃絶への闘争
“粘り強い対話”こそ、歴史を動かす究極的な“武器”/ノーベル平和賞受賞がもたらした新たな使命感/受賞講演で訴えた「全人類に対する忠誠」

第7章 「核抑止論」という欺瞞
核備蓄の潜在的危険/核の抑止力は機能したか/国際社会の矛盾がテロの温床に/核廃絶こそが現実的な考え/世界の不戦は現実的な選択

第8章 不戦の世界を――国連と世界市民
より民主的な「国連改革」への具体案/揺らぐ国家の枠組みと民衆の「連帯」/「世界市民」としての意識を強化することが根本/「世界政府」実現の可能性/「平和を願うならば、平和の準備をせよ」

第9章 科学者の責任、宗教の使命
現代社会は相互依存で成り立つ/科学の発展と人類の責任/社会の影に教育の光を/人類発展の基礎に生命尊厳の思想を

第10章 後継の青年たちへのメッセージ
人類益の実現へ後継の育成を/楽観主義に脈打つ不屈の信念/生涯青春の心意気と青年に託す思い

発刊に寄せて  ロバート・ハインデ