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書籍詳細

「緑の革命」と「心の革命」

「緑の革命」と「心の革命」  

潮出版社 2006年
対談相手のスワミナサン博士は、小麦や米などの品種改良によって農業の生産性を飛躍的に向上させ、インドやアジア諸国の多くの人々を食糧危機から救った英雄である。その功績によって、米『タイム』誌(1999年8月23・30日号)は「20世紀における最も影響力のあるアジア人」の1人に選出した。また、博士は近年も、環境保全と貧困克服のための農業・農村改革運動「永続的な緑の革命」を唱導している。
本書は、農業のありようを変える「緑の革命」の父と、人々の心のありようを変える「人間革命」を推進してきた仏法者の対話である。活躍の分野こそ違え、民衆救済の情熱において、両著者は深い共鳴音を奏でている。
スワミナサン博士は、飢えた人々にただ食糧を与えるだけでは不十分で、その心を変え、人生の目標を見出させることこそが肝要だと語っている。「緑の革命」も、広い意味での「人間革命」を前提にしてこそ成し遂げられるのだ。
悩み苦しむ民衆の心に平和と希望と幸福の種を蒔こう――そんな思いからそれぞれの分野で闘ってきた2人の実践者の対話。

モンコンブ・S・スワミナサン  パグウオッシュ会議会長

1925年インド、タミル・ナドゥ州生まれ。農学者。インド農業研究所所長等を歴任。60年代、高収穫品種の開発・普及によってインドの農業復興と「緑の革命」の推進に大きな役割を果たした。2002年からパグウォッシュ会議会長を務める。

モンコンブ・S・スワミナサン

第1章 偉大なる魂との出会い
尊い生命を育む農業社会の根本/意思あるところ必ず道あり/幼い頃に胸に刻んだ2つの大切な信条/民衆を賢明にする「教育」の重要性/新たな出発の日となった、それぞれの“8月14日”

第2章 「師父の生涯」と「青春の誓い」
「何のため」の忘却が現代世界の混迷の一因/「人生それ自体がメッセージ」/エゴは人間にとって最大の敵である/社会に貢献するために“英知の剣”を磨け/「人道的科学」と「科学的人道主義」

第3章 「農業ルネサンス」への挑戦
「米」は人間・文化・社会を養い育む“滋養の象徴”/「食糧の安全保障」は世界平和への最重要課題/素晴らしき模範は変革への大きな突破口に/「農」への深き感謝の心は地球市民に不可欠な資質/「農」を考えることは人類の未来を考えること

第4章 「生命の世紀」と「女性の世紀」
新しい社会の創造に求められるべき女性の力/途上国が「人口爆発」を引き起こしてきた要因/社会変革の運動には粘り強い「対話」が重要/使命に目覚めた民衆は限りない力を発揮する

第5章 民衆に学べ―地域開発の智恵
研究室から現場へ 現場から研究室へ/どんな事業や運動も人材の確保と育成がカギ/「桜梅桃李」―多様性の尊重が社会発展の因/「存続可能な開発」への取り組み/「希望のエコロジー」へ地球市民の連帯を!

第6章 教育は人類を照らす光
地球上のすべての人々に「BHN」を保障せよ/環境教育の急所とは「非暴力を教えること」/教育の革命が社会の革命をもたらす/聡明な「智慧」を開発する教育の必要性/差別と偏見を打砕く「文化の力」「芸術の力」

第7章 「人間開発」と「人間革命」
人間開発への新たな指標/社会の亀裂を生む格差と不公正の拡大/「人間開発」の実現には精神性の開発が不可欠/「人間革命」の連帯を世界へ

第8章 「非暴力」は人類の平和の大道
世界で最も偉大な人は常に一人立つ/今、世界に必要とされる幾多の“現代のガンジー”/勇気ある生き方のなかに非暴力の「魂」がある/精神の継承は「師弟」が根幹/最も不幸な人々が最も幸福になる権利がある

第9章 地域を彩る「文化の輝き」
世界の一体化と“郷土”からの視点/インドの“人類意識”「全宇宙はわが家族」/生命の共感のエネルギーは大いなる創造と前進の力に/他人の不幸の上に自分の幸福を築いてはならない/科学と精神性は表裏一体

第10章 核兵器廃絶への道程
核廃絶運動の原点「ラッセル・アインシュタイン宣言」/核兵器を絶対悪と断じた「原水爆禁止宣言」/ロートブラット博士との出会い/「核抑止論」の論理的・政治的破綻/最も確実な平和への道は「教育」/人間革命から地球革命へ

第11章 平和と公正の世界を目指して
「人間の歴史は戦争の歴史」か?/「殺したくない」本能を機能不全にした戦争技術の発達/すべての科学者が「ヒポクラテスの誓い」を/「リスク社会化」に対応するグローバル・ガバナンスを/国連強化と「精神のグローバリゼーション」/「岐路」を決定する「心の革命」の成否/「ヒューマニティー」の勝利のために