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教育と文化の王道

教育と文化の王道  

第三文明社 2010年
中国文化大学の理事長で、台湾を代表する地理学者でもある張鏡湖博士。本書は、台湾の教育大臣を務めた父と二代にわたって教育に心血をそそいできた博士と、創価大学などの創立者として、「教育こそ、人生最大の事業」と宣言し、尽力してきた池田名誉会長の「教育」と「文化」をめぐる対談である。
対談では、中国の伝統文化、日本や欧米の文化を柔軟に取り入れ、「現代の奇跡」と称される発展を遂げた台湾の歴史と文化に言及。さらに、古代から育くまれてきた日本と大陸の思想・文化の交流を俯瞰する。「教育・文化交流」は民衆と民衆を結ぶ偉大な架橋作業であり、今なお戦争の記憶が影を落とす東アジアにこそ「平和」「文化」「教育」のネットワークの構築を、との願いで両者は一致する。
中国文化大学と創価大学は1995年以来、留学生の往来による「教育・文化交流」が続けられている。「一人ひとりの青年の生命を最高に輝かせゆくことで、現代の混迷の闇を照らし、人類の希望の未来を照らしていく――これこそが『教育と文化の王道』であり使命である」 と、さらなる交流を約し合う両対談者の語らいこそ「教育と文化の王道」を示すものといえよう。

張鏡湖  中国文化大学理事長
1927年3月18日生まれ。中国文化大学理事長。国立浙江大学歴史地理学部卒業。米国クラーク大学で地理学博士号取得後、ハーバード大学研究員、ハワイ大学教授、世界銀行ブラジル農業開発顧問等を歴任。米国地理学会で発表論文数第2位に輝くなど、アメリカの学術界で活躍する。1985年に帰国後、中国文化大学理事長に就任。ロシア・サンクトペテルブルク大学、韓国・慶熙大学等より名誉博士号を受章。著者に『世界の資源と環境』、論文に 「世界の農業の起源」「地球温暖化の影響」「中国大陸の水資源の生態と経済発展に及ぼす影響」ほか多数。
張鏡湖

第1章 父母の思い出と「麗しの島」
1.父を語る
「父子一体」の教育の勝利/「人生地理学」の理念を評価/黙々と仕事に励んだ父の姿/「平和の文化」の創造へ/中国文明に流れる「共生のエートス」/ガンジーに通ずる人間性への信頼
2.母と故郷を語る
子を思う母の深き心/歴史上の二人の母を模範に/「孝」を重んじる中国文化/苦難を糧に勝利の人生を飾った母/母なる故郷――人材の揺籃・寧波/文化交流にかける燃え上がる魂
3.「癒しの島」台湾の自然と魅力
憧れの名峰「玉山」/注目される台湾のヒノキ/火山活動で盆地が山脈に/「台風」と「地震」の脅威/「花」と「蝶」の王国/海を越えた人間の交流/多民族共生の文化的伝統
4.台湾の歴史と多彩な人間文化
「国姓爺」鄭成功の活躍/後継者が未来の一切を決める/植民地統治に反旗を翻した人々/文化の「土台」は悠久の中国大陸に/台湾の発展と現代の生活文化/健康を支える「医食同源」の伝統/民衆の心をとらえた観世音菩薩/アジア共通の文化を学ぶ意義

第2章 精神の遺産と地球環境
1.アジアを結ぶ人間哲学の交流
王陽明の広範な思想的影響/苦難を乗り越えて誕生した陽明学/「志」に生きることの大切さ/東アジアに平和・文化・教育のネットワークを
2.孫文先生の不屈の楽観主義
中国文化の真髄は「王道の文化」/民衆に尽くした孫文先生/十度の失敗を経て成功した革命/「人民こそ皇帝なり」/ソフト・パワーは王道 ハード・パワーは覇道/教育・文化交流は民衆を結ぶ懸け橋
3.輝く地球の未来へ
人類生存のカギを握る環境問題/世界的規模の水不足/アマゾンでの植林計画を推進するSGI/経済発展と公害問題/急がれる温暖化防止対策/人々の意識と行動の変革を
4.世界市民と環境教育
環境問題への先駆的な取り組み/環境教育は地球市民への必須条件/「地球憲章」の理念と哲学/人間と環境は本来、一体不二/「もったいない」の精神と自己変革/「小我」から「大我」への転換

第3章 教育の大道
1.大学創立の精神と歴史
「知性の聖火」のリレー/「奉仕をもって指導と為す」/卒業生の勝利が大学の勝利/苦難を乗り越え発展する中国文化大学/教育に全生涯を捧げた張其イン博士/池田大作研究センターがオープン
2.21世紀を教育の世紀に
東西の知性融合を目指す挑戦/「教育」と「宗教」は両輪の関係/真理探究に不可欠な「学問の自由」/「大学の自治」は学生が根本/人々の心を結ぶ文化・芸術の交流
3.未来を開く教育の力
台湾各地で反響を呼んだ「世界児童平和文化展」/国際社会では政治・経済分野でも女性が目覚ましく活躍/中国社会における女性の地位の変遷/女性教育を重視した牧口初代会長/周総理夫妻の「八互の原則」/家庭教育こそ未来を築く基盤/大人が子どもの模範に
4.人間生命の光彩輝く世紀を
卒業生の活躍が創立者の最大の喜び/近代ヨーロッパ哲学に衝撃を与えた中国文化/中国文化の中心的思想=「仁」/「文明の差異」を認め合い「文明の共生」する社会へ/民主主義と自由の扉を開いたゴルバチョフ/人間の中へ、人間とともに