グローバル化やネットワーク社会の拡大が目覚ましい進展を遂げた現代にあって、新型コロナウイルスという未聞の試練に、人類は立ち向かっている。あらゆる差異を超えて万人に仏性を見いだし、「自他共の幸福」を標榜する日蓮大聖人の仏法、創価の人間主義が、分断を協調へ、孤独を連帯へと転じゆく希望の光源として、今ほど希求される時はない。
「創立90周年から100周年への10年は、一人一人が『人間革命』の勝利の実証をいやまして打ち立て、いかなる『大悪』も『大善』に転じて、いよいよ人類の『宿命転換』を、断固として成し遂げていくべき勝負の時であります」(「世界広布新時代第46回本部幹部会」へのメッセージ)
「聖教新聞創刊70周年」「大阪の戦い65周年」、さらに「壮年部結成55周年」「婦人部・男女青年部結成70周年」の節目を刻む明2021年は、今後10年にわたる「勝負の時」の勢いを決する最重要の一年である。
希望あるところに勝利があり、勝利あるところに希望がある。
「地涌の使命」という無限の希望に生き抜く一人一人が、わが本舞台で勝利し、地域を、社会を、希望の光で照らしていきたい。そこに広宣流布があり、立正安国がある。
そこで、2021年はテーマを「希望・勝利の年」と掲げ、新たな活動様式も取り入れながら、広布を断固として前進させゆく一年としてまいりたい。
さらに、青年こそ未来への希望であり、未来の勝利そのものである。かけがえのない後継の宝である青年部・未来部を、一騎当千の人材へと各部一体で育んでいく。
「広宣流布に生きる人の胸には、歓喜の火がある。どんな試練の烈風も、その火を消すことはできない。むしろ、その火は、風が激しさを増せば増すほど、いや増して燃え盛るのだ。そして、ますます鮮烈に、希望を照らし出すのである。信仰ある限り希望がある」(小説『新・人間革命』第26巻「厚田」の章)
○ | 皆が対話拡大・友好交流に果敢に挑戦し、自分が縁する近隣・地域・職場に、大きく友情と仏縁を広げよう。遠方の親戚との交流・対話にも力を入れよう。 | |
○ | 青年部を先頭に折伏・弘教に挑戦しよう。「モバイルSTB」や「SOKAnet」で配信されている動画等も活用し、学会理解を広げよう。 | |
○ | 自他共の幸福の道を示す聖教新聞を拡大し、創刊70周年を荘厳しよう。 |
「伸一は常に、〝どうすれば皆が喜び、勇気をもって信仰に励めるのか〟〝明るく元気に頑張れるのか〟を考え続けていた。彼の一念も、行動も、日々、友への励ましに貫かれていた。励ましとは、安心と希望と勇気を与えることである」(同第21巻「共鳴音」の章)
○ | 訪問激励に全力で動こう。〝リーダーは会合と個人指導の比率を2対8に〟との指針を今こそ実践し、「励まし週間」を軸に、一人一人の状況に配慮しつつ、励ましを送ろう。 | |
○ | 一対一の激励を通して、わが地区の座談会の参加者、対話拡大に挑戦する活動者を増加させよう。皆が前進を決意し合えるよう、「信仰の体験」と「信心の確信」を語り合う充実の座談会にしよう。 | |
○ | 〝新たな青年学会の建設〟を掲げて開催される「青年部幹部会」を通して、各部一体で青年部を育成しよう。 | |
○ | 「創価学会永遠の五指針」の第一である「一家和楽の信心」を大事にし、家族での語らい、青年部・未来部の信心継承にも力を入れよう。 |
「(小説『新・人間革命』の執筆は)一日一日が、全精魂を注いでの真剣勝負となった。全国、全世界の各地で、健気に信心に励む宝の同志を思い浮かべながら、生命の言葉を紡ぎ出し、一人ひとりに励ましの便りを送る思いで推敲を重ねた。それはまた、わが胸中の恩師と対話しながらの作業でもあった。『創価の精神を伝え残せ!この世の使命を果たし抜くのだ!』――脳裏に先生の声がこだまする。疲れが吹き飛び、勇気が湧いた」(同第30巻〈下〉「あとがき」)
○ | 小説『新・人間革命』の熟読・研さんに、これまで以上に力を入れよう。「聖教電子版」なども活用し、『新・人間革命』に触れる機会を増やし、師弟の道を日々、学ぼう。 | |
○ | 訪問激励など一対一の語らいの中で、『新・人間革命』の一節を紹介・引用し、熟読・研さんに挑戦するメンバーを増やそう。学会活動の実践を通して、共に自身の人間革命に挑戦しよう。 | |
○ | ○御書根本に人間主義の仏法の研さんに力を入れ、「行学の二道」に挑戦する人材の増加を目指そう。破邪顕正の教宣活動も着実に進めよう。 |
創価学会は、日蓮大聖人の仏法の理念を基調に平和・文化・教育の運動を多角的かつ広範に展開するとともに、平和のための善の連帯を世界に広げてきた。コロナ禍が地球規模で拡大する中、世界市民の連帯が一層希求されていることを踏まえ、今後とも人類的諸課題解決のため公共的役割を果たしていく。
2021年は以下の取り組みを、女性や青年によるリーダーシップを最大に尊重し、またオンラインシステムを効果的に活用しながら、SGI国連事務所(ニューヨーク、ジュネーブ)や関連団体をはじめ、国連諸機関、非政府組織(NGO)、信仰を基盤とした団体(FBO)等とも連携・協力して力強く推進する。
「平和と信頼の国際年」の2021年、「平和の文化」を構築する取り組みを引き続き幅広く展開する。そのために、「対話」を通した啓発、人と人とのネットワークの拡大、「誰も置き去りにしない」社会的包摂への貢献など、一人一人の平和への取り組みを支援する。
1. | 国連の「平和の文化」ハイレベルフォーラム(年次会合)に貢献 |
2. | AI兵器(キラーロボット)、サイバー攻撃の危険性などの問題に倫理面から警鐘 |
3. | 女性平和委員会は、〝私がつくる「平和の文化」〟をテーマに、フォーラムや講演会を開催 |
4. | 高齢社会の世界的先例である日本の課題を踏まえ、高齢者や子どもの権利と希望ある生活について考える「平和の文化と希望」展を開催 |
5. | 日本・アジアをはじめ全世界の戦争犠牲者を追悼し、平和への誓いを新たにする「世界平和祈念 戦没者追善勤行法要」を実施 |
6. | 戦争・被爆体験を継承するための証言会を開催 |
7. | 青年部「SOKAグローバルアクション2030」キャンペーンの一環として、広島・長崎・沖縄の青年部を中心とした「青年不戦サミット」を開催。各種平和意識調査を実施 |
8. | 戸田平和記念館(横浜市)、沖縄研修道場などで平和意識の啓発活動を実施 |
9. | 平和構築の議論に青年の参画を求める国連安保理の「2250決議」および「2419決議」、同じく女性の参画を求める「1325決議」の普及を支援 |
10. | 21世紀の国際社会に即した平和倫理、生命倫理の構築のための研究を推進 |
11. | 東洋哲学研究所、池田国際対話センターとも協力し、宗教間・文明間対話や相互理解を促進 |
12. | 民音研究所による「平和構築の音楽」を探求する研究活動を支援 |
「核兵器禁止条約」の発効によって打ち立てられる核兵器の法的禁止は、核時代との決別に向けた新たな出発であり、批准国・署名国の更なる増加が重要となる。核兵器が「絶対悪」であることを一貫して訴えてきた池田先生の平和理念を基調に、引き続き核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)等と協力し、「核兵器禁止条約」の意義の普及に貢献する。平和・軍縮教育を草の根レベルで推進する。
1. | 核軍縮に関する各種国際会議に参加し議論に貢献 |
2. | 核兵器の禁止と廃絶を訴える信仰者のコミュニティーの取り組みを推進 |
3. | 「核兵器禁止条約」の普及を推進する啓発ツールを制作 |
4. | 「核なき世界を選択する民衆フォーラム」を被爆地で開催 |
5. | 女性平和委員会は、ヒロシマ・ナガサキの被爆体験の映写会を草の根で展開 |
6. | 核兵器廃絶を求める青年の国際ネットワーク「アンプリファイ」の取り組みを支援 |
7. | 戸田記念国際平和研究所による「核兵器廃絶」ならびに「先端技術と安全保障」に関する研究活動を支援 |
国際社会の2030年に向けての指標である「SDGs(持続可能な開発目標)」では、「誰も置き去りにしない」との、仏法の生命尊厳・平等観にも通ずる誓いが掲げられている。この精神性を一層高めながら、SDGsの普及と推進に貢献する。また同目標でも扱われる「気候危機」は、異常気象等に加え、生態系への影響を通じて感染症発生も促すとされていることに鑑み、「脱炭素社会」へ向けての取り組みを強化する。
1. | 「持続可能な開発のための教育」(ESD)の活動として、「希望と行動の種子」展や「わたしと地球の環境展」を開催 |
2. | SDGsや気候変動問題に関する啓発ツールを活用して、個々人の取り組みを支援 |
3. | 国内外のFBO(信仰を基盤とした団体)等と連携して、SDGs達成や気候変動対策における宗教の役割に関する議論に貢献 |
4. | 地球憲章インタナショナル等と連携し、SDGs啓発アプリ「マプティング」を用いての意識啓発活動を展開 |
5. | 女性平和文化会議はSDGs啓発の講演会を開催 |
6. | VOD「『気候危機』を乗り越えゆくための挑戦」の視聴を推進 |
7. | ブラジルの「創価研究所――アマゾン環境研究センター」の活動を支援し、森林再生にも貢献 |
8. | アフリカにおける森林再生を支援(トーゴ) |
近年、社会問題化しているヘイトスピーチ(憎悪表現)、移民排斥、人種差別に加え、コロナ禍の中、社会的に弱い立場にある人々への差別が深刻化している。また2021年は「児童労働の根絶のための国際年」となっている。今回の危機を、人権文化が輝く社会の建設のための変革の出発点としていけるよう、国際人権の前進に貢献するとともに、幅広い教育・啓発活動に注力する。
1. | 「変革の一歩――人権教育の力」展を国際巡回 |
2. | 「人権教育ウェブサイト」の普及、活用 |
3. | 人権教育の促進のため、国連人権理事会の討議に貢献 |
4. | ジェンダーの多様性と平等促進のため、国連女性の地位委員会などへの貢献を継続 |
5. | 若い女性が発揮するリーダーシップの事例を紹介するとともに、分析するプロジェクトを推進 |
6. | 人権教育映画「尊厳への道」の活用 |
7. | 「勇気の証言――ホロコースト展」巡回を支援 |
8. | 青年平和会議を中心に、人権や難民問題について考えるための連続セミナー等を開催 |
9. | 生命尊厳の立場から、死刑廃止に関する意識を啓発 |
10. | 女性平和委員会は「子どもの権利条約」採択30周年の2019年からスタートした「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」に賛同団体として参加。「子どもの笑顔を広げよう!」オンラインアンケートの実施等、啓発活動に注力 |
自然災害の頻度や被害が増大する中、信仰を基盤とした地域のネットワークは、レジリエンスを生かして緊急時に大きな力を発揮することが、国際的に注目されている。復興地への支援を一層推進するために、多様な組織との連携を図る。また国際的な連帯を生かして、深刻化する感染症問題や難民問題に取り組む。
1. | 東日本大震災から10年を迎える東北や近年の大規模災害に見舞われた各地で、被災体験の聞き取り活動を継続。復興支援のため、「希望の絆」コンサートを開催。「東北福光みらい館」での情報発信を強化 |
2. | 創価学会による災害救援や復興支援の経験を生かし、国連機関等による防災の取り組みの議論に貢献 |
3. | 感染症対策に関する、国際社会の活動や議論に貢献 |
4. | 難民問題に関する意識啓発のため、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や国連UNHCR協会のキャンペーンを支援するほか、難民映画の上映会や、難民の子どもたちによる絵画展を開催 |
5. | 他のNGOと協力し、難民の子どもたちの教育を支援 |
6. | 社会本部各部、地域本部各部は、個人の活動を通じて、地域社会の発展と向上に貢献 |
グローバル化が進展する現代にあって、各国・各地域の多様な文化を守り育む活動や、それらを共有するための多角的な活動を推進する。また、それを担う人材の育成にも継続して取り組む。
1. | 多彩な展示を開催 |
・ | 宇宙との関わりを通じて「地球人」としてのあり方を問い直す「わたしと宇宙展」 |
・ | 子どもから高齢者まで「読んで」「語って」「参加」できる「絵本とわたしの物語展」 |
・ | 親子で体感的に「食の大切さ」「命のつながり」を学べる「ごはんといのちのストーリー展」 |
・ | 社会に広く「活字文化」の重要性を伝える「世界の書籍展」 |
・ | 写真文化の普及、向上を目的とする「自然との対話」写真展 |
2. | 全国主要会館の「創価ライブラリー」の充実と多彩なイベントで、良書との出合いを促進 |
3. | 民主音楽協会による、多角的な音楽文化活動と各国との文化交流を支援 |
4. | 東京富士美術館による、国内外における文化の相互交流の活動を支援 |
5. | 東洋思想、なかんずく仏教の思想・哲学の研究および関連の学際的研究を推進する東洋哲学研究所を支援 |
6. | 文化本部各部、国際本部各部は、個人の活動を通じて文化・学術の振興に貢献 |
7. | 各地の音楽隊、鼓笛隊、合唱団は、演奏活動を通じて地域社会の活性化に貢献 |
社会全体の教育力向上のために、「教育のための社会」への転換を図るべく、幅広い運動を推進する。
1. | 教育本部は「人間主義」の教育運動を展開 |
・ | 教育者と地域社会の教育力向上のために、人間教育実践報告大会、教育フォーラム等を開催 |
・ | 各地で家庭教育セミナーや家庭教育懇談会等を開催して、家庭教育の向上に貢献 |
2. | 辺地や離島などへの図書贈呈を推進 |
3. | 世界市民の育成を目指す創価大学、アメリカ創価大学、創価学園を支援 |
4. | 創価教育に関する国際学術交流を支援 |
5. | 世界各地の学術機関に設置されている池田思想研究機関と連携 |
6. | 教育の振興を通して青少年の健全な育成を図る牧口記念教育基金会の活動を支援 |
7. | 平和、人権、SDGs、人道等に関する展示やワークショップなどの教育ツールを通し、世界市民教育を展開 |
8. | 平和教育の学習教材を、SOKAチャンネルVOD等を通じて提供 |
1.「創価学会の日」記念行事
5・3「創価学会の日」を記念する行事を、会館を使用して開催する。
2.「創価学会創立記念日」の行事
11・18「創価学会創立記念日」の行事を、会館を使用して開催する。
以下の記念日に、意義をとどめて行事を開催する。
1・26 | 「SGI(創価学会インタナショナル)の日」 |
3・16 | 「広宣流布記念の日」 |
4・2 | 「第2代会長戸田城聖先生命日」 |
5・19 | 「創価学会常住御本尊記念日」 |
7・3 | 「第2代会長戸田城聖先生出獄記念日」 |
8・24 | 「第3代会長池田大作先生入信記念日」 |
9・8 | 「原水爆禁止宣言の日」 |
10・2 | 「世界平和の日」 |
11・18 | 「初代会長牧口常三郎先生命日」 |
1.支部・地区総会
「支部・地区総会」の開催の有無、開催期間、開催単位、内容等は、方面・県に一任する。
2.女子部ロマン総会
2020年12月から2021年1月を女子部「マイ ロマン総会」期間とする。
3.婦人部総会
4月から5月に「婦人部総会」をグループ単位で開催する。
4.教学試験・教学講座
「教学部教授講座」「教学部任用試験(仏法入門)」を実施する予定。
例年通り以下の行事を予定するが、状況によって開催方法を変更するなど工夫する。
1.「日蓮大聖人御聖誕の日」を記念して、方面または県・分県の中心会館で勤行会を開催する。(2月16日)
2.「立宗の日」を記念して、方面または県・分県の中心会館で勤行会を開催する。(4月28日)
3.「竜の口の法難の日」の意義をとどめ、勤行会を開催する。(9月12日)
4.「日蓮大聖人御入滅の日」に滅不滅の意義から勤行会を開催する。(10月13日)
5.3月20日を中心に「春季彼岸勤行法要」、9月23日を中心に「秋季彼岸勤行法要」を県・分県の中心会館で実施する。(3月20日、9月23日)
6.「諸精霊追善勤行法要」を県・分県の中心会館で実施する。(7月15日または8月15日)
7.「世界平和祈念 戦没者追善勤行法要」を方面または県・分県の中心会館で実施する。(8月15日)
8.「成人の日」の記念の集いを県・分県の中心会館で開催する。(1月11日)
9.「七五三」の記念勤行会を県・分県の中心会館で開催する。(11月15日)
※阪神・淡路大震災「『阪神ルネサンスの日』勤行会」を関西で会館を使用して開催する。(1月17日)
※東日本大震災「福光勤行会」を東北で会館を使用して開催する。(3月11日)
《墓園での勤行法要》
例年通り以下の行事を予定するが、状況によって開催方法を変更するなど工夫する。
・全国の墓園・納骨堂では、「日蓮大聖人御入滅の日」である13日に、毎月、勤行法要を実施する。また、牧口常三郎先生の命日(18日)、戸田城聖先生の命日(2日)に勤行法要を行う。
・春季・秋季彼岸勤行法要を行うとともに、「諸精霊追善勤行法要」(7月15日または8月15日)を実施する。