十界

(2)餓鬼界

餓鬼界とは、欲望が満たされずに苦しむ境涯です。
古代インドにおける餓鬼のもともとの意味は「死者」のことです。死者が常に飢えて食物を欲しているとされていたことから、とどまるところを知らぬ激しい欲望の火に、身も心も焼かれている生命状態を餓鬼界と表現します。
大聖人は「貪るは餓鬼」、また「餓鬼悲しむべし。飢渇にうえて子を食らう」(1439㌻)と仰せです。飢えて子まで食べるというような貪り、すなわち際限のない欲望にふりまわされ、そのために心が自由にならず、苦しみを生じる境涯のことです。
もちろん、欲望そのものには善悪の両面があります。人間は、食欲などの欲望がないと生きていけないことも事実です。また、欲望が人間を進歩、向上させるエネルギーとなる場合もあります。しかし、欲望を創造的な方向に使えず、欲望の奴隷となって苦しむのが餓鬼界です。

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