十界

(3)畜生界

畜生という言葉は、もともとは獣や鳥などの動物を指します。畜生界の特徴は、目先の利害にとらわれ、理性が働かない「愚かさ」です。
大聖人は「癡かは畜生」と説かれています。因果の道理が分からず、正邪・善悪の判断に迷い、目先の利害に従って行動してしまう境涯です。
また「畜生の心は、弱きをおどし、強きをおそる」(957㌻)、「畜生は、残害(=傷つけ殺すこと)とて、互いに殺しあう」(1439㌻)と仰せのように、畜生界の生命は、理性や良心を忘れ、自分が生きるためには他者をも害する弱肉強食の生存競争に終始していく境涯です。目先のことしか見えず、未来を思考できない愚かさの故に、結局は、自己を破滅させ、苦しむのです。
* 畜生という表現は、古代インドの表現を踏襲したものです。動物であっても例えば盲導犬のように人を助けることを使命として生きる例もあります。また逆に人間であっても、戦争のように他の動物よりも残酷な行為をする場合もあります。

地獄界・餓鬼界・畜生界の三つは、いずれも苦悩の境涯なので「三悪道」といいます。

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