十界

(4)修羅界

修羅とは、もともとは阿修羅といい、争いを好む古代インドの神の名です。
自分と他者を比較し、常に他者に勝ろうとする「勝他の念」を強くもっているのが修羅界の特徴です。
他人と自分を比べて、自分が優れて他人が劣っていると思う場合は、慢心を起こして他を軽んじます。そして、他者の方が優れていると思う場合でも、他者を尊敬する心を起こすことができません。また、本当に自分よりも強いものと出会ったときには、卑屈になって諂うものです。
自分をいかにも優れたものに見せようと虚像をつくるために、表面上は人格者や善人をよそおい、謙虚なそぶりすら見せることもありますが、内面では自分より優れたものに対する妬みと悔しさに満ちています。このように内面と外面が異なり、心に裏表があるのも修羅界の特徴です。
ゆえに、大聖人は「諂曲なるは修羅」と説かれています。「諂曲」とは自身の本音を隠して相手に迎合していくことです。「諂」は「へつらう、あざむく」という意味で、「曲」は「道理を曲げて従う」ということです。
修羅界は、貪瞋癡の三毒(貪り、瞋り、癡かという三つの根本的な煩悩)にふりまわされる地獄・餓鬼・畜生の三悪道と異なり、自分の意思で行動を決めている分だけ、三悪道を超えているといえます。
しかし、根本は苦しみを伴う不幸な境涯なので、三悪道に修羅界を加えて「四悪趣」ともいいます。

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