十界

(5)人界

人界は、穏やかで平静な生命状態にあり、人間らしさを保っている境涯をいいます。大聖人は「平らかなるは人」と仰せです。
この人界の特質は、因果の道理を知り、物事の善悪を判断する理性の力が明確に働いていることです。
大聖人は「賢きを人といい、はかなきを畜という」(1174㌻)と言われています。善悪を判別する力を持ち、自己のコントロールが可能になった境涯です。
この人間らしい境涯も、決して努力なしに持続できるものではありません。実際に、悪縁が多い世間にあって、人間が「人間らしく生きる」ことは難しいものです。それは、絶え間なく向上しようとする自分の努力がなければ不可能です。いわば人界は「自分に勝つ」境涯の第一歩といえます。
また人界の生命は「聖道正器」といわれ、仏道(聖道)を成ずることができる器であるとされています。
人界は悪縁にふれて悪道に堕ちる危険性もある半面、修行に励むことによって仏法の覚りの境涯である四聖への道を進むことができる可能性を持っているのです。

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