新年勤行会 拝読御書
「報ほう恩おん抄しょう」

御文

　日にち蓮れんが慈じ悲ひ曠こう大だいならば、南無妙法蓮華経は万まん年ねんの外ほか未み来らいまでもな流がるべし。日に本ほん国こくの一いっ切さい衆しゅ生じょうの盲もう目もくをひ開らける功く徳どくあり。無む間けん地じ獄ごくの道みちをふ塞さぎぬ。この功く徳どくは、伝でん教ぎょう・天てん台だいにも超こえ、竜りゅう樹じゅ・迦か葉しょうにもす勝ぐれたり。極ごく楽らく百ひゃく年ねんの修しゅ行ぎょうは穢え土どの一いち日にちの功くに及およばず。正しょう像ぞう二に千せん年ねんの弘ぐ通つうは末まっ法ぽうの一いち時じに劣おとるか。これひとえに、日にち蓮れんが智ちのか賢しこきにはあらず、時ときのしからしむるのみ。春はるは花はなさ咲き、秋あきは菓このみな生る。夏なつはあ暖たたかに、冬ふゆはつ冷めたし。時ときのしからしむるにあらずや。

（御書新版261ページ10行目～14行目・御書全集329ページ3行目～7行目）

通解

　日蓮の慈じ悲ひが広大であるならば、南無妙法蓮華経は万年のさらに先の未来までも流布するであろう。日本国の一切衆しゅ生じょうの盲もう目もくを開く功徳がある。無む間けん地じ獄ごくへの道をふさいだのである。
　この功徳は伝でん教ぎょうや天台をも超こえ、竜りゅう樹じゅや迦か葉しょうよりもすぐれている。極楽での百年の修行は穢え土どでの一日の善ぜん行ぎょうに及およばない。正法・像法二千年の弘ぐ通つうは、末法の一時の弘ぐ通つうに劣おとるであろう。
　これは、ひとえに日蓮の智ち慧えがすぐれているからではなく、時がそうさせるのである。春は花が咲さき、秋は果実がなる。夏は暖あたたかく、冬は冷たい。これらも時がそうさせることではないか。

拝読のために

広布の使命と誇ほこりに燃え躍やく動どうの一年に

　日蓮大聖人は数々の大だい難なんを乗のり越こえ、全ぜん民みん衆しゅうを救う南無妙法蓮華経の大法をあらわされました。この「広大な慈じ悲ひ」によって、妙法が末法万年にわたって流布することは間ま違ちがいないとの御ご確かく信しんを述べられた一節です。
　また大聖人は「極ごく楽らく百ひゃく年ねんの修しゅ行ぎょうは穢え土どの一いち日にちの功くに及およばず」と仰おおせです。穢え土どという現実の苦く悩のうの真まっただ中で自じ行ぎょう化け他たの実じっ践せんに挑いどむことは、恵めぐまれた環かん境きょうで多くの修行を積む以上の絶大な功徳に包まれるのです。
　池田先生は語っています。
　「まさしく今、日本中、世界中で、この『慈じ悲ひ曠こう大だい』なる尊とうとき『仏の仕事』を勇いさんで遂すい行こうしているのは誰だれか。『仏の使い』としての誉ほまれと使命を胸むねに、忍にん耐たい強づよく、また誇ほこり高たかく法を弘ひろめているのは誰だれか。いったい誰だれが、勇ゆう敢かんに民みん衆しゅうの大おお海うな原ばらに飛とび込こんで、苦く悩のうに沈しずむ一人を励はげましてきたのか。一人また一人と、絶望の淵ふちから希望 の人生へと蘇そ生せいさせてきたのか。それは、わが創価学会の同志であり、わがSGIの先せん駆く者しゃであります」
　さあ広布の使命と誇ほこりを胸むねに、世界の 地じ涌ゆの同志と心を合わせ、「世界青年学会　躍やく動どうの年」を勢いよく進んでいきましょう！